L-Acoustics V-DOSC System No.8



4. サブウーハー

4.1 サブウーハーの使用

 基本的にサブウーハーは周波数レスポンスの下を30Hzまで広げ、ヒヤリングロスの危険を増加させることなしに全体的なSPLを上げるために使用します。ロックコンサートでは、Aのフレッシャーレベルは105dBを超えずにパーマネントレベルが120d8に達するのは普通です。
 使用するサブウーハーの数は3つのパラメータによって違ってきます:
* V-DOSCエレメントの数。標準的にはサブウーハーの数はその半分になります。
* 音楽プログラム: 標準的な数は、ロックと軽音楽を想定しています。ハウスパーティーの場合にはこの数に2を掛け、クラシック音楽や企業イベントの場合にはこれを2で割ってください。
* 会場またはインスタレーションの場所。オープンエアではサブウーハーを地面に置く場合には、数は標準のままで結構です。飛ばす場合には数を増やす必要があります。
 
屋内では、7,500m3の容量に対して少なくとも一台のサブウーハーが必要です。

4.2 サブウーハーの構成

a) センターの床置き
 この構成は最大限のエネルギーを供給することができます。すべてのサブウーハーが音響的にカップリングされ、床は固い材質であれば(コンクリートなど)ミラーのように作用し、サブ(ウーハー)の数を二倍にしたような効果をもたらします。しかし相互放射のプレッシャーが、アセンブリーの中央にあるドライバーを疲弊させるかもしれません。この他の構成において、同じ数のサブで同じ全体プレッシャーレベルを実現することはできません。この構成では、サブのアレー組みの方法は二つあります: 柱にするか横方向のラインにするかです。最初のケースの場合には、横方向の指向性はありません。二番目のソリューションの場合には、ある程度の横方向の指向性は生じるかもしれません。たとえば、床面上の8つのSB218からなる列の横方向のカパレッジは、80度の場合でたった28度です。
 床上の中央というロケーションは欠点が全く無いわけではありません。一般的な欠点は次のような点です: オーディエンスエリアの最近端では、音のバランスが低減で過度に持ち上がってしまう。モニター用システムで、ローエンドが音の広がりを汚してします。
 近い部分のオーディエンスによる吸収と、補正された熱の条件(この問題は、フロアーシーティングの構成ならどこでも発生する可能性があります)によってカバレッジが限定されてしまう。中央の床置きでは、サブウーハーはメインのV-DOSCアレーとの音響的カップリングを実現しません。別々に処理され、AUXのアウトプットから別々の信号を受け取る場合さえあるかもしれません。対応するメモリはV-DOSC SBと呼ばれ、MEM3またはMEM4になります: これは、80HzでLPフィルターを使用します。

b) 左/右と多量音源のコンフィギュレーション
 このコンフィギュレーションは標準的なタイプです。サブウーハーの柱とメインのV-DOSCアレーを縦方向にならべて調整し、双方のローエンドをカップリングすると良いかもしれません。これはV-DOSCエレメントとサブのアレーが、V-DOSC,MEM1,MEM2というクロスオーバーのプリセットメモリ(200HzでLPフィルタ、130HzでPEQ)に従って部分的に同じ周波数帯域で動いている場合にのみ可能です。

5. ディレーさせたシステム

5.1 ディレーシステムのアプリケーション

 メインPAシステムとしてV-DOSCを使用すると、遠い距離でも、従来のシステムでは実現不可能だった非常に大型のカバレッジを実現することができます。これはW.S.T.コンセプトの大きな利点です=@B
これがしばしば、一般的にカバレッジを補うために使用するディレーシステムの必要性をなくし、ステージから80mの所で簡単にミックスポジションを見つけることができます。しかし物理的陣書物や風、非常な長距離(>150m)といった外的要因によって、特にオーブンエアの環境ではディレーシステムが必要になる場合があります。オーブンエアでのディレーシステムの使用やチューニングは非常に複雑な作業です。
 一般的にディレーの設定は、その角度を二分する線がメインシステムとディレーシステムの配列となる角度によって規定される所定のエリア内で有効です。風、温度変化その他の様々な偶発的要素がサウンドの伝播時間に影響を及ぼし、設定を無効にしてしまうことがあります。

5.2 ディレーシステムの構成

 ディレーの調整には、守るべき原則がいくつかあります:
1) 調整に心配のある場合にはディレーは使わない。
2) 10msまでのオーバーディレーは許容可能であり、安全なためのマージンも確保できる。ディレーをかけたサウンドが元音の背後でエコーのように響く可能性があるので、それ以上は許容不可能。
3) 異なるディレーの波を持つ異なる音源は一個所に集めないで分散させる。そうすることによってディレーソースのカパレッジが広がり、そのカパレッジ範囲におけるSPLの均質性が増す。ディレーのタイムアラインメントは、基準音源とディレー音源の軸上で行います。この軸上のどこかのポイントで、ディレーの設定によって二つの音波が完全に同じタイミングで到着するようになっていた場合は、軸を外れたどこかのポイントで基準音源が先行するようにします。


 今回は、サブウーハーの使用、構成とディレーシステムの構成について書きました。少し分かりにくい点があったと思いますが、分からない点は質問をお願い致します。また、サブウーハーに関しては、新たにベステックから最新情報がくる予定です。情報が入り次第、公開を致します。楽しみにしておいてください。


 次回は、システムのオペレーションについて説明をしたいと思います。

 次回を楽しみに!!


上記の貴重な資料は、ベステックオーディオ(株)からの提供です。

より多くの人達がこのSYSTEMを理解して頂ければ幸いです。

貴重な文献に対して感謝いたします。有り難うございます。




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