Low Frequency Directivity

まえがき

 今回からLow Systemについて、4回にわたり、このシリーズを書きます。再度、Low Systemについて考えてみて頂ければ幸いです。

 タイトルのLow Frequency Directivityとは、直訳で、低域周波数の指向性と理解して頂ければよいかと思います。Low Systemのマウントの仕方によって、どのように指向性が変化するのかを確認して頂ければ、今回のシリーズは、意味のあるものになるでしょう。



1) Background

 スピーカの指向性(指向範囲角度)は、下記によって定義される:
スピーカ軸に対して、音圧レベルが2分の1(-6dB)減少したポイント間の相対的な角度。
スピーカの指向性を知るために、厳密な測定を行うことが必要です。
それらの測定結果は、プロットとして描がくことができる:

Polar Plots, Pressure Maps and Beamwidth

 Polar Plots:一つの平面で、それぞれの周波数に置いて、異なった角度のSPL の関係を示します。
Polar plots は、減衰を描くために同心の円を使います。

Pressure Maps:これらは、水平、垂直両方の平面で、スピーカ軸と比較して異なった角度において、描かれるそれぞれの周波数に置いての音圧関係を示します。
Pressure mapsは、プロットの減衰をカラーグレード(あるいはグレースケール)を使う。

Beamwidth (指向範囲対周波数):これは、SPL が-6dBになったポイントにおいて、異なった周波数の指向範囲角度を示します。
図1は、3つのpolar plotで、水平方向は青で、縦方向は、赤で、描写します。
左から右へ、100 Hz 、1,000 Hz と10,000 Hz を示します。
スピーカ軸は0°です。
 この場合、水平、垂直両面の軸は +xのマークが付いたトップ上にあります。
外の円は、+10dBを表します、それぞれの中の同心の円が、それぞれ10 dB づつの衰弱を表します。
2つのマークは、-6dBポイントです。
水平、垂直の指向範囲は、100Hzにおいて、360°V x 360°H,1kHzにおいて、80°H x 40°V,10 kHz において,70°H x 50°Vとして明らかに識別できます。

Fig 1

 図2は、(色分けされた)3つのpressure mapを示します。
左から右へ、100ヘルツ、1 kHz 、10kHz を示します。
スピーカ軸は中心ポジションにあります。
最大限 SPL (0 dB の減衰)は、赤、6 dB の減衰が黄色で、12dB 減衰が緑で、24デシベル(あるいはさらに多く)減衰が青で、あることを示しています。
-6dBを示すトレースは、
水平、垂直の指向範囲は、100Hzにおいて、360°V x 360°H,1kHzにおいて、80°H x 40°V,10 kHz において,70°H x 50°Vとして明らかに識別できます。

Fig 2

Fig 3

 図3は、水平が青で、垂直が赤で、Beamwidth グラフを示します。
水平軸は、20 Hz から20の Khz まで周波数を示します。
垂直軸は、所定の周波数が6デシベル減少した角度を示します。
水平、縦の指向範囲は、100Hzにおいて、360°V x 360°H,1kHzにおいて、80°H x 40°V,10 kHz において,70°H x 50°Vとして明らかに識別できます。
スピーカでの指向性コントロールは、ホーン(スピーカドライバーに繋がれたホーン)の手段によって達成されます。
不幸にもホーンの指向性コントロールは、ある特定の物理的な考慮によって制限されます。
従って、スピーカーによって再現された最も低い周波数までのびている指向性コントロールを成し遂げるために、ホーンの寸法は、最も低い周波数の波長より、大きくなります。
例えば、100ヘルツ(3.4メートルの波長を持っている)において、指向性コントロールを達成するために、ホーンの寸法は、波長(3.4m)と同等であるか、あるいは3.4メートルより、大きくなくてはなりません。
50ヘルツにおいては、6.8メートルです。
図1,2,3は、1 kHz 以上周波数においての指向性は、一定のコントロール角度を示す。( 1kHz においての80°H x 40°Vと10の Hkz においての70°H x 50°V)
しかし、低い周波数(例えば100ヘルツ)は、指向性コントロールを持っていません。(無指向)
そして、これはすべてのバスレスタイプのサブウーハー(front loaded)や8.5m(40 Hz までのびている指向コントロールを成し遂げるために必要な)より小さな寸法のホーンである、すべての折りまげ(folded)タイプのサブウーハーで起こります。
もし、素朴な疑問があるなら、市場に出ているバスレス(reflex)と折りまげ(folded)タイプのサブウーハーのpolar plots, pressure maps,,beamwidth グラフを見てください。
そして、あなたは、100Hz(あるいは、それより低い周波数)においての指向範囲が360°(360° = omnidirectional)に気づくでしょう。

Note:Meyer Sound PSW-6は、単一指向特性を示す分野で、多分、唯一のバスレスタイプのサブウーハーです。
図4,5は、高さx幅x奥行が、それぞれ50センチの箱の中に1個の18インチドライバーが入ったバスレスタイプのサブウーハーウーハーの特性を示します。
図4は、3つのpolar plotsで、青が水平、赤が垂直を示しています。
左から右へと、50 Hz 、80 Hz 、125 Hz を示します。

Fig 4

 図5は、(色分けされた)3つのpressure mapを示します。
左から右へと、50 Hz 、80 Hz 、125 Hz を示します。
図4と5から、シングルサブウーハーの指向特性は、360°であると言うことが、推測することが出来る。(注目:無指向である。)
それは、図3でのbeamwidthグラフで、確認することが出来る。なぜなら、125Hz以下の指向特性は、360°であるからです。

Fig 5


  1回目は、各、Polar Plots,Pressure Maps,Beamwidthグラフの説明でしたが、次回は、水平指向のサブウーハーのアレイについて書きます。

 Meyer Soundでは、サブウーハーにおいて、単一指向性を持ったスピーカーが開発されています。例えば、PSW-6,M3D Subなどです。サブウーハーにおける、単一指向性とは、どういった物なのでしょうか?  

 今回のシリーズにそのヒントが隠されているかもしれません。

 最後まで読んでいただき、有難うございました。

 次回をお楽しみに!!

 また、音響に関して分かりにくい点、普段、疑問に思っていることがありましたら、私が答えられる範囲で対応したいと考えています。
 

 今後ともよろしくお願い致します。


***参考文献 Self Powered Optization Guide ***

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